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ここでいう「デザイン」とは、何かのモノの色や形のことではなく、「こんなワークショップになるといいなあ」というような、ワークショップのすがたのことで、ボクは、「こんなワークショップになるといいなあ」と、考えています。

ワークショップデザイン

自分で工夫することを、体験してほしい

ぼくが、ワークショップなどで、もっとも大切にしていることが、「つくる人」でいてほしい、ということです。
ここで言う、「つくる人」というのは、職業のことや、手先の器用さのことでも、完成した作品の出来不出来のことでもなく、普段の生活で、必要なもの欲しいものを、何でも「買えばいい」、と、安易に思わない人のこと、暮らし方や生き方のことです。

完成させた喜びや、ワークショップの時間を楽しむことも大切だけど、ワークショップが終わってから、どのように世の中を見るようになるかが、もっと大切だと考えています。
「何をつくったか」よりも、つくることによって「何を考えたか」、「何が見えてきたか」、「何に気付いたか」が大事なんだと。

こんなことを書くと、とても難しいことのように思えるかもしれませんが、つくるものの難しさは変わらないし、難しい話をするわけでもありません。

何でも自分で作るわけにはいきませんが、ものの見方を少しクリエイティブな方向に変えてみる、「考えみてみましょう!」「よく見てみましょう!」、実は、たったこれだけのことなんです。

「何かを完成させた」ということより,「何かが分かった」ことの方が大事

「出来たけど分からなかった」ということも、「分かったけど出来なかった」ということもありえます。
分からなくても、続けていくうちに分かることもあります。
最初は、決まった「型」を理解した方が良いことが多いけど、その「型」って、作り方の「型」のこと?、考え方の「型」のこと?

「出来た」と「分かった」の、どちらを大切にするのかを問われたら、どちらも大切だし、考え方は人それぞれでしょうけど、ぼくは「分かった」の方が大切だと思います。
完成させる達成感も必要だけど、そこがゴールではなく、将来もっと素晴らしいものが作れるようになるには、「分かったか、どうか」を意識した方が良いように思っています。

難しい? 優しい?

一般的に、「作るのが難しい」と言われるものって、大きく分けると、熟練した技術は必要なものと、時間のかかるもの、があると思います。
前者の熟練した技術は必要なものは、間違いなく難しいけど、後者の時間のかかるものって、「本当に難しいの?」と問われたら、難しいかどうかは何とも言えません。
なので、このホームページにある、ぬいぐるみを作ることに、かかる時間の差はありますが、難しさは、どれもほとんど変わらないんだとも言えます。
時間がかかっても良ければ、どんなものでも作ってみれば良いんだ、思っています。
でも、型紙を作る難しさの差は、かなりありますよ。(*^^*)

参加する人は、一人ひとり違うけど ・・・・・・

洋服作りや、ぬいぐるみ作りをしている人の、参加動機や習熟度を分けてみると、だいたい下の図のようになると感じています。


ワークショップのデザインについて


作るものの難しさや、かかる時間と、作る人の技術力とは、本来は関係ありませんが、実際には、おおむね比例関係になると思います。
参加動機については、事前にわかることはあまりないし、同じ人でも、参加動機が変化することもあるようです。
そこで、その4つのグループに、それぞれ名前をつけてみると ・・・・・・

ワークショップのデザインについて


あらかじめ、たて軸の完成までにかけられる時間と、参加する人の技術がどのくらいかは、あるていど分かるし、それらは急に変わったりはしないので、様々な条件を考えながら、作る題材は決めています。
でも、よこ軸のほうは、どんなものを作るかとはほとんど無関係なので、こちらは臨機応変にしています。

当日に何を作るか以外のテーマを設けて、最初にプレゼンテーションをすることもありますが、作るもの以外のテーマは考えないことのほうがが多くて、これは、作る人にとって、長すぎるプレゼンテーションの時間は、あまり意味がないことが理由です。
どのような動機で参加するかは、それぞれの参加する人の自由ですけど、個人的には、何か新たに発見してもらえることがあると嬉しいです。
もっとも、急に難しい立体化の理論の話なんかを始めても、きっとウザいだけなので、図の位置をちょっとだけ右にもっていくように心掛けています。