HOME > 型紙つくりの「きそ」の「きそ」 〈平面の材料を組み合わせて、立体にするには〉

オリジナルの型紙をつくるには、すでに出来上がっている型紙をリメイクしてもできますが、望んだ形にするには、型紙つくりの考え方を理解しておくことが大切です。

型紙の形を考えるときには、
【1】全体のイメージ
【2】構造
【3】それぞれの長さや角度

という順番で考え、【3】まで進めたあとに【2】を修正し、さらにこの工程を何度も繰り返したり、【1】にまでさかのぼって修正することもあります。
今回は、単純な立体を例にしていますが、複雑なぬいぐるみの型紙でも、考え方は変わりません。

全体のイメージ

まず、「正面」や「横」や「後ろ」などからの「全体のイメージ」を描き、どれくらいの厚みにするかを考えることになります。
必ずしも、最初のイメージ画とは別の方向からの画が必要になるわけではありませんが、「どの部分を、どれくらいの厚さにするか」は、イメージしてきましょう。

構造

「構造」とは、「どこを縫い目にするか」「どこからどこまでを一枚でまかなうか」を決めることで、それは「どこの立体化をあきらめるか」を決めることでもあります。
元の材料が平らであり、無限に縫い目を増やすことはできないので、立体にするには、必ず「妥協」が必要で、その妥協の仕方が「センス」でもあります。また、縫い目は、「構造線」であると同時に「デザイン線」でもあるので、立体構造と見た目の美しさを並行して考えましょう。
部分の構造は、すでにある型紙の同じような部分を「テンプレート」にすればよく、一から構造を考えることが必要になることは少なく、図1.2は、4本足の型紙の例ですが、どんな形でも、基本的な構造は変わりません。

それぞれの長さや角度

「それぞれの長さや角度」というのは、立体にしたときに望んだ形になる、型紙のそれぞれの部分の長さや、角度のことです。
例えば、正面から見て10センチ幅に見える円柱部分の周囲の長さは31.4センチで、それを2分割したときの型紙の長さは15.7センチとなり、このように、最初にイメージした画を立体化したときの長さを求めます。
この工程は、一箇所の長さのみ決めるなら簡単な作業ですが、たくさんの箇所の長さを決め、それらのつじつまを合わせることには、技術とセンスが求められ、多くの場合、ここに時間がかかります。

図3.4.5は、先端が球形で、円柱を90度曲げた形の型紙で、1枚の部品にするか、2枚の部品に分けるかは好みの問題です。この場合は、2枚に分けた方が正確な立体になりますが、余計な縫い目が増えるので、どちらのデザインがよいかは、ケースバイケースです。
他にも、距離や角度を合わせるためのルールがあり、図4では、①と②と③を合わせた距離は、元の赤い線の周囲の距離と同じ、④の長さは、元の赤い線の同じ箇所の長さの(2分のπ)倍、⑤どうし、⑥どうし、⑦どうしの角度の和は180度、などがあります。

まとめ

型紙つくりの方法は一つではありません。
コンピュータでつくることも、今後、より普及してくるはずですが、イメージする力や、考え方は、どんなときでも役に立ち、創造するときの手助けになってくれると思います。