「構造」とは、「どこを縫い目にするか」「どこからどこまでを一枚でまかなうか」を決めることで、それは「どこの立体化をあきらめるか」を決めることでもあります。
元の材料が平らであり、無限に縫い目を増やすことはできないので、立体にするには、必ず「妥協」が必要で、その妥協の仕方が「センス」でもあります。また、縫い目は、「構造線」であると同時に「デザイン線」でもあるので、立体構造と見た目の美しさを並行して考えましょう。
部分の構造は、すでにある型紙の同じような部分を「テンプレート」にすればよく、一から構造を考えることが必要になることは少なく、図1.2は、4本足の型紙の例ですが、どんな形でも、基本的な構造は変わりません。
- 1.このような4本足の型紙は
- 2.例えば、こんな型紙になります
「それぞれの長さや角度」というのは、立体にしたときに望んだ形になる、型紙のそれぞれの部分の長さや、角度のことです。
例えば、正面から見て10センチ幅に見える円柱部分の周囲の長さは31.4センチで、それを2分割したときの型紙の長さは15.7センチとなり、このように、最初にイメージした画を立体化したときの長さを求めます。
この工程は、一箇所の長さのみ決めるなら簡単な作業ですが、たくさんの箇所の長さを決め、それらのつじつまを合わせることには、技術とセンスが求められ、多くの場合、ここに時間がかかります。
図3.4.5は、先端が球形で、円柱を90度曲げた形の型紙で、1枚の部品にするか、2枚の部品に分けるかは好みの問題です。この場合は、2枚に分けた方が正確な立体になりますが、余計な縫い目が増えるので、どちらのデザインがよいかは、ケースバイケースです。
他にも、距離や角度を合わせるためのルールがあり、図4では、①と②と③を合わせた距離は、元の赤い線の周囲の距離と同じ、④の長さは、元の赤い線の同じ箇所の長さの(2分のπ)倍、⑤どうし、⑥どうし、⑦どうしの角度の和は180度、などがあります。
- 3.先端が球形で、円柱を90度曲げた形の型紙は
- 4.例えば、こんな型紙になります
- 5.こんな型紙もあります